破滅的かつ創造的〜『Mnemosyne-ムネモシュネの娘たち-』

『Mnemosyne-ムネモシュネの娘たち-』のBlu-ray BOXを観た。国内ではBD未発売だが、Amazon.comで35ドル。これは掘り出し物。45分×全6話ということで、通常の30分アニメであれば1クール相当。以下ネタバレ。

時代の異なる場所、東京・新宿をメインの舞台として、次々を起こる常軌を逸した事件―連続殺人、要人暗殺、生物兵器テロ、日常と非日常、狂気とエロスとハードなアクションを交えて、人間、不死者、天使と神の業を描き出すハードボイルドSFアクション。

<キャスト>
●麻生祇燐(あそうぎりん): 能登麻美子 外見は20代半ばに見えるが、実際の年齢は不明。独身。新宿の古びたビルに「麻生祇コンサルティング」という事務所を開いている。がさつに見えて意外と繊細。タバコは吸わない。お酒は大好き。普段はスーツを着ている、メガネがポイント。
●ミミ:釘宮理恵 外見は10代後半に見えるが実際の年齢は不明。燐の事務所でアシスタントとして働いている。いつもなだめすかして燐を働かせている。事務所の金銭面も管理。超一流のハッカーとしての腕を持っている。
●ローラ:大原さやか 見た目は燐と同じくらいの歳の女性。腕利きのハンターで、銃器や各種兵器の扱いに長け、燐を執拗に狙う。それが誰の依頼で動いているのか不明。
●エイポス:石田彰 少年ともいえそうな美青年。人間の倫理とは別世界で生きている。サディスティックで狂ったような美意識を持つ。
●山之辺沙耶羅:田中理恵 青山製薬狭山研究所の所長。研究所では、非合法の技術による実験などを行っている。プライドが高くサディスト。

新宿が舞台になっているとか、キャラデザが中央東口とか、個人的にはツボ。ストーリー的には、長大な時空の中で創造主と被創造主とが戦うお話。人間は基本的には脇役。スケールが大きく、SF的なセンス・オブ・ワンダーも得られる。ラストでは破滅的な要素と創造的な要素がうまくブレンドされている。『沙耶の唄』のEDをちょっと思い起こさせた。ただ、こちらの方がずっと明るいEDだ。充実感と爽快感が得られる。作品としては佳作であると思う。

ただし、主人公の「不死」を描こうとするあまりに、相当グロテスクな場面がある。またエロに関してもそれなりにアダルトな描写もあり、他人にはちょっと薦めにくいかな。

ノベライズもあるんだな。表紙はいい感じだけれど、レビューの評価は低い。微妙。

ムネモシュネの娘たち2008 (HJ文庫)

ムネモシュネの娘たち2008 (HJ文庫)