『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』の3D断念を評価したい

『アバター』のように3Dを最大限活用した作品を最初から狙うのであればともかく、流行だからといってなんでもかんでも3D上映にしようとする風潮が嫌いだ。技術的には2D用に撮影した映像であっても、デジタルの後加工処理で3D化することは可能だが、『ハリー・ポッター』シリーズでは納期優先で雑な仕上げを行うことはしてほしくない。この点で、安易な商業主義に流されることなく、作品の品質を重視して3D上映を断念したワーナーは評価されるべきだと思う。

だいたい、IMAX3D方式のような良質な3Dのハコが極端に少ない中で、XpanD方式のように眼鏡が重くて映像の輝度も低い環境で長時間映像を見せられるのは勘弁してほしい。米国流のギラギラした映像であればまだしも、『ハリー・ポッター』のような英国調の暗く沈んだ画面ではなおさらだ。

また、3D作品の場合、「字幕か吹替か」という問題もある。作品にいずれが合うかという好みの問題もあるが、3D画面の立体感を堪能するときに字幕が邪魔になるということも勘案しなくてはならない。最終的に「2D×吹替」「2D×字幕」「3D×吹替」「3D×字幕」の4つのパターンから選択をする必要があるのだが、組み合わせが多すぎで自分にあったスクリーンとスケジュールを探して、確保するのが難しくなりがちだ。

今回の2Dのみとなったことで、僕は安心して「字幕」を選ぶことができる。公開まであと1ヶ月ちょっとだ。

ハリー・ポッター」3Dでの公開を断念!最終章PART1は完成間に合わず

映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』 - (C) 2010 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.(シネマトゥデイ) 映画スタジオのワーナー・ブラザーズは、シリーズ最終章の前半となる映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』を3D公開することを断念し、通常の2D公開とすることを決めた。

ファンが待ち望んでいる最終章は、昨今の3D大作映画の波に乗り前後半ともに3Dバージョンで公開される予定だったが、ワーナーは11月19日にアメリカとイギリスで公開を予定しているパート1の3Dバージョンが間に合わないことを理由に、2Dのみでの公開を決定。「みんなの努力にもかかわらず、この作品を最高の3D品質で完成させることができなかった。ファンはこの物語の素晴らしい旅の終わりを長く待ちわびており、がっかりさせたくない。製作者たちと調整した結果、観客にハリー・ポッター体験を最後まで楽しんでもらうためには、これが最善の方法だと考えた」と発表した。

 これにより、「ハリー・ポッター」シリーズでは最終章の後半、パート2『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』のみが3D公開となる予定。パート2は2011年7月15日に2Dと3Dで公開となる予定だ。
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