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プリウスがリコール

自動車

ついにトヨタがプリウスのリコールを届け出た。米国における保護主義の影響力も大きかったろう。ハイブリッド車としてはホンダのインサイトが快調であった中、市場投入を急いだ面もあったろう。そして、先進国の自動車市場が縮小する中で、「トヨタ」や「プリウス」といったブランドイメージを守るために、対応が後手に回ったということもあるだろう。

だが、そういった通り一遍の説明のほかに見逃せないのは、プリウスがハイテクの塊であるということだ。動力がハイブリッドであるという点がこの車の目玉であるが、停止制御系には回生ブレーキとABSが組み合わさっている。回生ブレーキは過去のプリウスでも用いられていた安定した技術であり、ABSも歴史の長い技術である。だが、いずれもすべての状況で制動距離を最短にするという技術ではない。今回の問題も特殊な状況(雪道など)で発生するということのようだが、両者の組み合わせを最適化するチューニングに問題があったのだろう。ある意味、ハイテクの落とし穴と言えるのではないか。

リコールでは、ABSの制御ソフトを書き換えるということで、より汎用性の高い安定したシステムになるのだろう。言い換えれば、「プリウス3.0」から「プリウス3.1」にバージョンアップするというわけだ。だが、3.1になったからと言って完璧になるとは限らないのがハイテクの怖いところだ。

今後、電気自動車があちこち走り回る日も遠くないだろうし、自動運転システムの実用化も進むだろう。だが、コンベンショナルな技術から離れれば離れるほど、公道における新たなリスクが増えることになる―今回のプリウス問題では、そんなことを考えさせられた。


トヨタ自動車は9日午後、ブレーキに不具合があったハイブリッド車「プリウス」など4車種のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。

10日から実施されるリコールの対象は新型プリウスのほか、「SAI」、「レクサスHS250h」、「プリウス プラグインハイブリッド」の計22万3068台。うち20万台近くがプリウス。米国では新型プリウスを13万3000台、250hを1万4500台リコールする。

対象車種は、タイヤの横滑りを防止するABS(アンチロック・ブレーキ・システム)で減速する際にブレーキがかかりにくくなる問題があるとされ、リコールで制御ソフトを修正する。

届け出後、豊田章男社長が記者会見を開き、「お客様に多くのご迷惑、ご心配をおかけして、改めておわび申し上げます」と語った。豊田社長は訪米して、米当局にリコールの説明を行う。

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