シェリルのライブは良かった〜『劇場版 マクロスF 虚空歌姫』

『劇場版 マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜』を観た。以下軽くネタバレ。

(公式サイト:劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~

基本的にTV版の設定をなぞりつつ、映画で独自の展開を辿るのは「新訳Zガンダム」や「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」と同様で、最近の劇場版のトレンドに乗ったもの。登場しない人物もいれば、役割を変更された人物もいる。だが、シェリル、ランカ、アルトという主役級の役回りは、細部の変更はあるものの基本的には変わらない。そういう意味では、TV版を堪能した人でも安心しつつも新鮮味を味わえるという作りになっている。

しかし、わざわざ劇場の大スクリーンで鑑賞するべきかというと個人的には疑問だった。シェリルのライブでのCGとのコラボや、戦闘シーンのクライマックスは、確かにマクロスらしく迫力があった。だが、それ以外の場面での作画はTVサイズ用のように荒く、ときに主役級の顔や体のラインが崩壊していた。また、音声も歌と台詞とSEのミックスの密度がいまひとつで圧倒される場面は少なかった。実にもったいない。

ヱヴァの新劇場版、とりわけ「破」が、劇場版アニメのハードルを上げたことは間違いない。が、その後に作られたマクロスの劇場版がそのハードルを超えられないのはなんとも残念。そもそも作り手がわざわざ劇場版を世に問う理由がよく分からなかった。

この映画の一番の見どころ、あるいは聴きどころは、新曲も披露されたシェリルのライブだと思う。歌はもちろん、ステージや、衣装や、演出のすべてが素晴らしい。シェリルの場合「萌え」とは違うが、彼女の魅力を堪能した2時間だった。続編(サヨナラノツバサ)はきっとランカ中心になるんだろうな。

ユニバーサル・バニー

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