篠山紀信のゲリラ撮影に思う

路上での全裸撮影で篠山紀信事務所が捜索された。去年末に発売になった「アサヒカメラ」(朝日新聞出版)一月号の表紙になったアレだ。

そもそも、路上や公共の施設での全裸撮影というのは、なんとも趣味が悪い。110番通報した人がいるというが当然だろう。「タブーに挑戦して常識を打ち破るんだ」と意図したのではないかもしれないが、実に陳腐で貧困な発想だ。「これはエロではなくて芸術<アート>なんだ」と主張したいのかもしれないが、紀信の写真は相変わらず何も訴えかけてこない。綺麗なモデルを脱がせて小綺麗な写真を吐き出しているだけ。「紀信」というブランドがなければ、カメラ雑誌の表紙を飾ることもない。

こういうことで安易にお金を稼ごうとする輩が増えると、ストリート撮影を行うフォトグラファーへの偏見が高まるのではないかと危惧する。

路上・公園で全裸撮影、篠山紀信事務所を捜索

篠山紀信事務所がある建物の前に集まった報道陣=吉岡毅撮影 今年1月に発売された写真家の篠山紀信さん(68)の写真集を巡り、公衆の場でヌード撮影が行われた疑いがあるとして、警視庁は10日、東京都港区内の篠山さんの事務所など3か所を公然わいせつ容疑で捜索した。

撮影場所となった結婚式場などは「イメージダウンになる」「撮影許可は出していない」としており、同庁は今後、撮影の経緯などについて関係者から事情を聞く。

同庁幹部によると、この写真集は、朝日出版社が発売した「20XX TOKYO」。東京湾岸や赤坂、青山など都心にある路上や公園などで、全裸の女性モデルがポーズをとっている。撮影は昨年夏ごろ。いずれも夜間帯に行われたとみられ、撮影時に現場付近を通りかかった通行人から「全裸の写真撮影が行われている」などの110番が複数寄せられた。

港区の都立青山霊園で撮影された写真は、女性モデルが墓石の台座に片足をのせたり、墓の前で座ったりしているが、同霊園を管理する都公園課では、「ヌードなどの撮影は認めていない」としている。
(後略)
お知らせ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)