インサイトの人気を支えているのは女性!?

「インサイトが女性に人気」というなんだか直観と異なる調査結果が、日経やヤフー等の媒体で報じられた。ネットエイジア社というところが行っている「モバイルリサーチ」の結果ということだ。

男性は「プリウス」派 「インサイト」の人気を支えているのは女性!?

自分専用の自動車を保有している20代〜50代の男女500名に対し、「プリウス」と「インサイト」ではどちらが好きかを尋ねたところ(単一回答形式)、全体で見ると、「プリウス」が78.0%だったのに対し、「インサイト」は22.0%にとどまり、「プリウス」に軍配が上がりました。また、男女別で見ると、男性で「プリウス」と回答したのは99.6%となり圧倒的で、「インサイト」と回答したのは0.4%となりました。一方、女性では「プリウス」の回答は56.4%で、「インサイト」の回答は43.6%となり、12.8ポイント「プリウス」が上回りました。このように「女性層の支持」が、現在の「インサイト人気」の要因の一端を担っているのではないかと推察できる結果となっています。

これは詳細を見るほど直感的におかしい。

まず、「わからない」や「どちらでもよい」という回答がないこと。プリウスとインサイトのどちらかを知らないと答えられない質問なのに、プリウスとインサイトの合計が100%となっている。クルマを持っている人が対象ということだが、必ずしもハイブリッドカーに興味がない人がいてもおかしくない。だが、調査では必ずどちらかを選んでいる。実に不自然。もし写真等の説明を付けたのなら、その説明に何らかのバイアスがあった可能性もある。

次に性差が顕著すぎること。特に男性の99.6%(これはほぼ100%)がプリウスを選んでいるというのはあまりにも不自然。一方、女性の43.6%(ほぼ半数)がインサイトを選ぶというのも不可解。今回モデルチェンジするまでは、2ドアでスタイル重視、往年のCR-Xのようなオタク向けクルマだったのだから。いや、新型車だって、かなりオタク向けデザインだ(画像添付)。

いずれにしても、そもそも選択肢がどのように提示されたのか、そしてサンプルが無作為であったのか、疑わしいと思う。

「プリウスとインサイトの選好に男女差はない」との仮説を棄却する以前に、そもそもこのネットエイジア社が信頼できる調査を行っているかどうかを確認すべきだろう。

ハイブリッドカー関連はいま旬なのだろうが、メディアは安易に記事にすることなく、きちんと吟味してほしい。