リーマンは安い買い物だったか

破綻したリーマンのアジア、欧州、中東部門を野村HDが買った。多くの報道では「顧客基盤」「人材」を入手と書いているが、そんなに甘くない。

投資銀行ビジネスにおいては、しかも破綻した会社の場合はなおさら、顧客・人材は、手のひらの砂のように零れ落ちていく。まして、日本企業がオーナーとなれば、マメジメントや処遇といった点でスムーズに行かないことが予想される。本当に「安い買い物」だったかどうかは分からない。

リーマンの欧州部門も買収=顧客基盤、投資銀行部門を手中に−野村HD

 野村ホールディングスは23日、経営破綻(はたん)した米証券大手リーマン・ブラザーズの欧州・中東部門を買収すると発表した。欧州・中東におけるリーマンの顧客基盤や企業の合併・買収(M&A)などの投資銀行業務を手に入れることで、海外事業展開を加速する。
 今回の買収をめぐっては英銀大手バークレイズなども参入していたが、欧州をアジアと並んで重視する野村が最終的な勝者となった。買収額の詳細は今後詰める。
 野村は22日にリーマンの日本事業を含むアジア部門も200億円超で買収することを決めており、成長の期待できるアジアと機関投資家の集まる欧州の両市場で営業力の底上げを図る。
 買収対象は英国、ドイツ、カタールなどの10拠点。買収によりリーマンの欧州・中東部門の社員約2500人のほか、株式、投資銀行業務を収める。リーマンが自己勘定で行っていた株式、債券業務の関連資産や負債は引き継がない。同部門の2008年度上半期の営業収益は2億6000万ドル(約280億円)。(2008/09/24-00:03)
時事ドットコム