原油価格の高騰、資本市場のグローバル化がもらたす帰結は、オイルマネーがプレゼンスを高めるということだ。イスラムの戒律で「利子」を禁じていようとも、経済合理性を追求すれば、何らかの「手法」(「抜け道」ともいえる)が生まれる。
日本の金融機関にイスラム金融への参入のチャンスがあるとすれば、基本的にキリスト教ではないこと、そしてアジアに所在することだろう。歴史的に見れば、中東よりも、東南アジアのイスラム国家であるマレーシアとの関係をいっそう強化することで、アジアにおけるイスラム金融の世界で主導権を握る可能性は十分あるはずだ。
香港が中国に返還され、シンガポールがますます欧米化する中で、クアラルンプールを中心にイスラム金融のムーブメントが高まる可能性は十分ある。日本で「イスラム債」で資金調達を行っているのは、イオンクレジット1社だけだが、来年以降、イスラム金融への注目がますます高まるだろうと思う。
- 作者: 吉田悦章
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