死んでしまうということ〜『うたたね』

川内倫子の2001年の写真集『うたたね』を買った。第27回木村伊兵衛写真賞受賞作品。

うたたね

うたたね

6×6の二眼レフRolleiflexで撮影されたハイキーでコントラストの低い写真ばかりだが、被写体を見つめる彼女の視線は鋭く、そして覚めている。この写真集についてはネタバレをしたくないので「どうか見て下さい」と言いたい。何気ない日常風景の中に、生/死について考えさせらたり、どきっとさせられたりするような写真が、突然現れる。

写真に撮影者の心象風景が投影されるとすれば、川内倫子は、生と死を見つめているフォトグラファーなのだろう。しばらく彼女の仕事を追っていこうと思う。

それにしても、フィルムで撮った写真はやっぱり味があるなと実感。