新生・ペンタックスへ

取締役会が迷走した2ヶ月だったが、ようやく混乱収拾の兆しが見えてきた。

ペンタックス、スパークスに谷島氏の社長昇格案伝える

 ペンタックスは25日、HOYAによるTOB(株式公開買い付け)後の経営体制について筆頭株主のスパークス・グループ幹部と協議し、辞任の意向を示している綿貫宜司社長(54)の後任として、谷島信彰執行役員(52)を昇格させる人事案を伝えた。スパークスは週明けに人事案の是非をペンタックス側に回答するが、受け入れる可能性が高い。

 ペンタックスは取締役6人の人事案を提案。HOYAとペンタックスの間では両社が2人ずつ出し、社外取締役を1人とすることで合意していたが、社外を1人増やす案にした。ペンタックスは谷島氏と鳥越興上級執行役員を取締役候補として提案。経営企画担当の谷島氏を次期社長とする考えを伝えた。

日本経済新聞

綿貫社長を筆頭とする現在の取締役陣は「HOYAとの経営統合を性急に進めた」という理由で前の社長を追放しているのだから、筋を通すのであれば、全員辞任するのは当然である。

デジタル一眼レフK10Dが「カメラグランプリ2007」を受賞するなど追い風の吹く中で、このような迷走に終止符を打つことは「PENTAX」ブランドの価値が守る上で極めて大切なことだ。

新しい経営陣の姿は見えないが、資本の論理から言えば、HOYAとの経営統合(TOB)は不可避であろう。統合後は財務面の改善が見込まれるが、その裏側では当然のことながら効率性・収益性がいっそう厳しく問われることになろう。具体的は、本社を始めとする不動産の売却も検討されるだろうし、収益性の低い中判・大判カメラからの撤退やフラグシップ一眼レフの開発の中止もありうるだろう*1

新しく生まれ変わるペンタックスが、K10DK100Dのような「ペンタックスらしい」商品を出し続けることができれば、それはとても素晴らしいことだと思う。

PENTAX デジタル一眼レフカメラ K10D レンズキット K10DLK

PENTAX デジタル一眼レフカメラ K10D レンズキット K10DLK

*1:これらはいずれも上場企業のコーポレートガバナンスのあるべき姿であり、それがイヤならMBOでもEBOでもやればよい