ホンネとタテマエの乖離〜不二家だけではない

製品の製造過程において問題を起こした不二家は、ISOの認証を取得していた。ということは、認証を受けるときだけ制度を整えて、実態としてはコストが低くなるような運用をしていたということだろう。

不二家:ISO認証で事実関係の調査依頼 経産省
 不二家の埼玉工場が消費期限の切れた牛乳をシュークリームに使っていた問題で、経済産業省は同社が取得しているISO認証が「実態に適合していない可能性がある」として、ISOや日本工業規格(JIS)などの認証制度全般を統括する財団法人「日本適合性認定協会」に事実関係の調査を依頼した。

 これを受け、同協会は不二家のISO認証取得を担当した民間認証機関に調査を要請。臨時審査の結果、品質管理の問題点が確認されれば、認証が取り消される可能性もある。

 ISOは「国際標準化機構」(本部・ジュネーブ)が定めた国際規格。企業の品質保証に関する「9000」シリーズや、環境保護に関する「14000」シリーズなどがある。不二家は本社の菓子事業部門で9001、埼玉、野木(栃木県)、泉佐野(大阪府)の3工場が14001を取得している。

JOCによる東海村臨界事故、雪印乳業による食中毒、三菱自動車によるリコール隠し、保険会社による保険金不払い等、類似のケースには枚挙に暇がない。こういう企業をバッシングするマスコミでも、記事の捏造、やらせ、制作費着服等といった同根の不祥事を起こしている。

規定を定めていても、運用面でそれが遵守されず、そしてその実態が隠蔽されるというのは、どうも日本企業から払拭できない体質なのかもしれない。国際基準であるISOにおいてさえそういうことが起きるのだから、後は推して知るべし。

サービス残業の問題も同様。「ホワイトカラー・エグゼンプション」なんて長々と横文字を並べる前に、就業時間の管理を厳格化すべきだと思う。