日興コーディアルの終焉

資本市場の担い手であるべき証券会社が、市場に対して嘘をついたのだから、もうおしまいだ。

日興:虚偽記載は意図的な経理操作? 
 証券大手「日興コーディアルグループ」による利益の水増し問題で、同グループが内部の経理書類を改ざんしていたことが分かった。グループは「担当者のミス」としているが、証券取引等監視委員会は水増し額を増やすための意図的な経理操作とみている模様だ。

 今回の問題は、孫会社との金融派生商品(デリバティブ)取引で約187億円の経常利益を得た子会社だけを連結決算の対象とし、同じ取引で同額分の損失が生じた孫会社を連結対象から外した点が違法と認定された。

 証券監視委の調べでは、このデリバティブで利用された株式の1株当たりの価格は、実際には約2万8000円だったが、子会社の経理書類には2万4480円と記載されていた。

 基準価格(2万8100円)との差額が大きいほど、子会社の利益が膨らむ取引だったため、実際にはほとんど利益がないのに、帳簿上の利益は約145億円に達した。子会社はさらに、孫会社から得た業務委託費など約42億円を加えた約187億円を経常利益として計上したが、改ざんがなければ水増し額は約42億円にとどまった。

 この問題について、会見したグループの杉岡広昭副社長らは「書類の改ざんが判明したが、利益を多く見せかけるためではない」と話した。(毎日インタラクティブ
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思えば、山一証券が自主廃業に追い込まれたのも「飛ばし」と呼ばれる不正な経理処理が原因だった。今回の日興コーディアルの不正な経理処理も利益を過大に計上するものだ。この会社の場合、役員が突出した報酬・賞与を得ているのだから一層性質が悪い。「コーディアル(CORDIAL)」= 「誠心誠意の」「真心をこめた」という社名が空々しく響く。

上場企業としての資質が厳しく問われるべきであり、上場廃止となるのが妥当だろう。