旅人へ

桜はいつ咲くのだろうということが気になるこの季節に、僕たちは周りにいるいろいろな人との別れを経験する。自分の目指す道に進む決断をして、いままでの環境に別れを告げ、新しい世界に旅立っていく。

ありがとう、さよなら、成功を祈る、また会おう。
こんな挨拶を繰り返して、僕たちはみなそれぞれが旅人であることを知らされる。それぞれが違う目的地に向かっているのに、あるとき同じ道を歩いたり、すれ違ったりする、そんな旅人。

一昨年*1涙を流してここを旅立っていった友人が、新しい世界で才能の花を開いたという記事を読んだ。雑誌の中の彼は、私が知っているなかで最高の笑顔を見せていた。心から素晴しいと感じる。そして、僕もそんな笑顔でいたいものだと思う。

ちゃんと挨拶できなかった人もいる、でも、僕はあなたの成功を祈っている。話すらできなかった人もいる。あなたは僕のことをそんなに覚えていないかもしれないけど、僕はあなたの決断を素晴しいものだと思っている。

これからのあなたの旅は、遠く、長く、道のりは険しいかもしれない。でも、きっとあなたの目指すところにたどり着くことを信じている。

そして、僕自身の歩く道も決して平坦ではない。だから、お互い、離れていても成功を祈りあおう。それが力になって、きっと頑張っていけるだろうから。

ありがとう。さよなら。成功を祈る。そして、また会おう。

毎年、桜が咲くころには、僕はそうして遠くに離れた友人のことを思い出す。これからも、きっと。ずっと。

*1:最初は去年だと思ったがよくよく記憶の糸を手繰ってみたらもう2年前だった。歳月の過ぎていくのはなんと早いことか