経済

これが民主主義か

国家の危機、いやグローバル資本主義の危機においても、民主主義の下では「なぜ税金を投入してまで金融機関を救済するのか」という議論が起こるのだ。日本では既に経験したプロセスだが、アメリカでも同じで少し安心した。いや、株価は大暴落したけれども。 …

リーマンは安い買い物だったか

破綻したリーマンのアジア、欧州、中東部門を野村HDが買った。多くの報道では「顧客基盤」「人材」を入手と書いているが、そんなに甘くない。投資銀行ビジネスにおいては、しかも破綻した会社の場合はなおさら、顧客・人材は、手のひらの砂のように零れ落ち…

iPhoneを別格扱いするマスコミの愚

「iPhoneは売れる」と騒いでいたマスコミが、手のひらを返して「売れていない」と騒ぐ。その間、ソフトバンクに踊らされたのは、消費者ではなくマスコミの方だ。まあ、いつものことだが。2ヶ月前のブログ「iPhoneは社会現象になるか」(id:SHARP:20080711)…

福田辞任発表

福田さんは官房長官が最も良かった。マスコミに対しても常に超然と対していたところが良かった。首相になってからもメディアへの姿勢は変わらずで、そこは好感が持てたのだが、最後の最後で記者の「総理の会見はいつも人ごとのようだ」という引っ掛け質問を…

村上隆と24時間テレビのキキカイカイ

今年もまた24時間テレビの季節になった。ファンの人には悪いが、実はろくに見ていない。司会が誰になろうが、マラソンランナーが誰になろうが、ほとんど関心はない。もちろん、慈善活動の重要性は理解しているし、募金をする人の善意は尊重したい。だが、運…

まず赤字を出さないと値上げできない

独占企業であっても価格決定においてフリーハンドを得ているわけではない。まず赤字を出さないと値上げができないのが日本。ここでは株主の利益が世論に劣後するのが当然であることを、投資家は認めなくてはならない。 東京電力、当期赤字2800億円 09…

iPhoneは社会現象になるか

相変わらずソフトバンクは時流に乗るのが上手い。いや、むしろ時流を作っているというべきか。本日、iPhone発売に1500人を超える行列。 米アップルの新型携帯電話「iPhone(アイフォーン)3G」が11日、日本で売り出された。国内販売を手がけるソフ…

「システム統合成功」という記事がない

みずほFGのシステム統合が大規模なトラブルになって以降、マスコミは大手金融機関のシステムトラブルを重箱の隅をつつくように取り上げてきた。 そんな中、三菱東京UFJ銀行による、旧三菱東京と旧UFJのシステム統合が始まった。事前に予想していた通り、順調…

iPhoneはソフトバンクから

サプライズ。Appleがドコモを選ばずソフトバンクを選んだ理由は何なのだろうか。ソフトバンクと組むことで、iPhoneのブランド価値が下がるような気がする。 ソフトバンクモバイル、年内に「iPhone」を発売ソフトバンクモバイルは6月4日、米Appleが開発した全…

ATMとスペースシャトル

三菱東京UFJ銀行のシステム統合は、マスコミの格好のネタ。どこかでトラブルが起きないかというあら探しから始まっているのだが、コメントの抜粋も恣意的だと思う。 ATM一部障害「早期の原因究明を」・セブン銀余波 三菱東京UFJ銀行の新システム稼…

石原都知事は謝罪すべきポイントが違っている

新銀行東京の問題は、3月9日付エントリ(id:SHARP:20080309)で懸念した通り、迷走を続けている。追加出資を引き出すためのポーズだろうけれども、石原都知事が謝罪。ただ「都の監視責任は私にある」ってそんなところが問題なのではない。収益の上げられない…

日銀総裁で揉めているのに1ドル100円割れ

中央銀行の総裁の人事で揉めているなか基軸通貨のドルに対して急激に上昇するなんて、やはり円は強いとしかいいようがない。そして、日銀総裁の件は、マスコミや財界がなんと騒ごうとも、マーケットでは平静に受け取られているのだろう。言い換えれば、イン…

石原都知事の奢り〜新銀行の実質破綻

民間銀行の経営が必ずしも褒められたものではないが、政府(含む地方政府)がもっと上手に銀行経営を行えるわけがないではないか。持論の銀行批判を述べるのは勝手だけれども、「新銀行東京」なるものを創出し、出資金を無駄にした上に、今後も放漫経営を続…

『外資系金融で働くということ』

とても興味深いブログのエントリーを見つけた。外資系で働くということ - 債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐらより。グローバル化経済の中に放り込まれた以上、外資系であろうがなかろうが、金融であろうがなかろうが、僕らに共通し…

物価上昇が職場ストレスの一因?!

職場ストレスは確かに増えたと思う。が、物価上昇は「一因」ではなく、また別の問題。前者は経済のグローバル化が根本的な原因であり、構造変化の結果としてきちんと認識しなければならない。物価上昇はインフレによるもので、どちらかといえば循環的なもの…

イスラム金融の時代

原油価格の高騰、資本市場のグローバル化がもらたす帰結は、オイルマネーがプレゼンスを高めるということだ。イスラムの戒律で「利子」を禁じていようとも、経済合理性を追求すれば、何らかの「手法」(「抜け道」ともいえる)が生まれる。日本の金融機関に…

NOVA問題に思う

悪評高いNOVAもついに会社更生法を申請し、いわゆる「倒産」に至った。給料未払、怪しげなファンドからの資金調達の動き、監査役そして取締役の辞任と、「つぶれる会社」の末期的症状を辿っていたわけだが、これで一段落となった(しかし、外国人労働者が大…

人事も経理も中国へ?

朝から、周囲の情報通は、昨夜の『NHKスペシャル〜人事も経理も中国へ』の話題で持ちきり。ニッセンが間接部門を中国に業務移管した事例を取り上げたらしい。 製造業の分野では続々と生産拠点を中国へ移し、コストダウンを図ってきた日本企業。そして今、人…

円高・株安キター

円は1ドル112円台へ突入。多くのメーカーが想定レートを115〜120円としているため、国際優良銘柄を筆頭に株価は大幅暴落。トヨタ、キヤノンという日本経団連会長輩出企業なんかが先陣を切って下げている。ちなみにキヤノンの想定レートは1ドル120円だから、…

円高キター

東京での終値はかろうじて1ドル115円台を保ったが、その後ロンドンで115円を割り込んだ。サブプライムローン問題に端を発した信用収縮のあおりで、円キャリーポジションの解消が進んでるようだが、このように一気にこようとは。まあ、8月という月は過去も為…

グローバリズムの光と影〜「ポーランド発イギリス行き」

ポーランドからイギリスへの移民に関する特集番組がBSで放送された(文末に要旨を引用)。このテーマは学生時代からずっと追っているので、現在の東欧の状況を知って胸が痛んだ。 EUの理念は、域内経済の効率化を進めることによって、全体として競争力を高め…

新生・ペンタックスへ

取締役会が迷走した2ヶ月だったが、ようやく混乱収拾の兆しが見えてきた。 ペンタックス、スパークスに谷島氏の社長昇格案伝える ペンタックスは25日、HOYAによるTOB(株式公開買い付け)後の経営体制について筆頭株主のスパークス・グループ幹部と…

日興の上場を維持した東証の判断は妥当か

山一証券が自主廃業した際の社会的混乱は、金融関係者のトラウマになっている。東証も例外ではないのだろう。上場廃止をきっかけに日興証券に「万が一」のことが起きた場合、東証は非難を免れないからだ。それが怖くて、東証は日興の上場を維持したのだ。し…

ホンネとタテマエの乖離〜不二家だけではない

製品の製造過程において問題を起こした不二家は、ISOの認証を取得していた。ということは、認証を受けるときだけ制度を整えて、実態としてはコストが低くなるような運用をしていたということだろう。 不二家:ISO認証で事実関係の調査依頼 経産省 不二…

日興が切るカードに注目〜みずほFGの証券再編

みずほ証券と新光証券は来年1月に合併することで合意したと発表した。 みずほ・新光証券、合併を正式発表 みずほフィナンシャルグループ(FG)系の準大手証券であるみずほ証券と新光証券は10日、2008年1月をメドに合併することで合意したと正式発表した。…

日興コーディアルの終焉

資本市場の担い手であるべき証券会社が、市場に対して嘘をついたのだから、もうおしまいだ。 日興:虚偽記載は意図的な経理操作? 証券大手「日興コーディアルグループ」による利益の水増し問題で、同グループが内部の経理書類を改ざんしていたことが分かっ…

PSPはもう終わり

昨年正月のエントリー「ソニーショック?」(id:SHARP:20050121)や今年3月のエントリー「DSの品不足に付け込めないソニー」(id:SHARP:20060301)で予想した通り、PSPの出荷が不振を極めている。引用した記事にもある通り、任天堂のDSとの勝敗は明らかになった…

プレステ3の発売延期のダメージ

部品供給が間に合わないのではないかと囁かれていたプレイステーション3(PS3)だが、ついにSCEから正式に発売延期が発表された。 SCE、「PS3」の発売延期を発表 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は15日、次世代家庭用ゲーム機「プ…

PSE法は悪法です

もう20年も前の話になるが、高校の入学祝いにシンセサイザーを買ってもらった。だから、坂本龍一、松武秀樹、椎名和夫など、僕のようなYMOチルドレンにとっては「神」と呼ぶしかないような人たちが、で署名活動を展開していたPSE法の運用を、固唾を飲んで見…

量的緩和政策解除の影響

日銀が量的緩和政策の解除を決定した翌日だったが、株式市場、債券市場、外国為替市場とも静かに推移した。「サプライズ」なく金融政策の変更を実施した日銀の全面的勝利だと言ってよいだろう。それにしても、NHKのニュースでは、消費者への影響という観点で…