映画

”2”のジンクスを免れず〜『パシフィック・リム: アップライジング』(2018年、アメリカ)

ギレルモ・デル・トロ監督のオタク心、特に、日本のアニメや特撮が大好きな彼が、リスペクトする作品群へのオマージュをふんだんに取り込んだ『パシフィック・リム』が大好きだった。sharp.hatenablog.com あの戦いから10年。世代を変えつつも、怪獣が人類を…

密輸王に俺はなる!〜『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年、アメリカ)

エピソード7から始まる新三部作もゴールが見えて来た『スター・ウォーズ』シリーズ。スピンオフの『ローグ・ワン』のヒットを受けて、人気キャラのスピンオフものとして世に出されたのがこの『ハン・ソロ』。「帝国対反乱軍」あるは「フォース対暗黒面」み…

ハリウッドポリコレに配慮した良質娯楽作品〜「オーシャンズ8」(2018年、アメリカ)

2001の「オーシャンズ11」は、当時ノリにノッていたスティーブン・ソダーバーグ監督が、ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモンなどのイケメン俳優を集めに集めて作ったクライムムービー。クライムといっても、マフィア映画のように血で…

『カメラを止めるな!』(上田慎一郎監督)

話題の『カメラを止めるな!』(上田慎一郎監督)を見に行ってきた。今日からTOHOシネマズ系で上映が始まり、仕事帰りに金曜日夜の六本木ヒルズへ。 この作品の場合、ネタバレをせずに感想を記すのはすごく難しい。「余分な情報を入れずに観る」ほど楽しめるこ…

『トゥームレイダー ファースト・ミッション』(2018年、アメリカ、ユーアル・ユートハウグ)

1964年の東京オリンピックは、敗戦国日本の復興の姿を世界にアピールするものだった。そこには、最新のテクノロジーと東洋の神秘性のミクスチュアがあり、サイード的な偏見の眼差しこそあれ、日本が世界を引きつけたことは間違いなく、かの『007』シリーズで…

映画にとってリアリティとは何か〜『15時17分、パリ行き』(2018年、アメリカ、クリント・イーストウッド監督)

88歳となってもなお創作欲とアイデアの衰えないクリント・イーストウッド。この作品では、ヨーロッパの列車内で起きた実在のテロ事件を映画化。アラブ系のテロリストが大量殺戮を図ったのに対して、たまたま乗り合わせたアメリカ人3人が一致団結して対処し…

『レッド・スパロー』(2018年、アメリカ、フランシス・ローレンス監督)

1991年のソ連の瓦解とともにリアリティを失うかに見えた“スパイ映画”というジャンル。ところがどっこい。2010年代になっても『007』『ミッション・インポッシブル』『ジェイソン・ボーン』などのエージェント映画は大ブーム。ジェームズ・ボンド役は時代によ…

『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(2018年、アメリカ)

『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』を観に行った。 マーベル vs DCの文脈で言えば、マーベルによる「アベンジャーズ」がDCの「ジャスティスリーグ」を凌いでいることで、それぞれの単発映画の興行成績にも「越えられない差」をつけているように思う…

『グレイテスト・ショーマン』(2017年、アメリカ)

『グレイテスト・ショーマン』を観に六本木ヒルズのTOHOシネマズへ。ここのSCREEN7は、スクリーンは通常比20%増しのTCX、音響はパワフルなDOLBY ATOMOS。ミュージカル映画を見るには最適とも言える環境。ストーリーは、19世紀に実在した米国の興行師P・T・…

『ブラックパンサー』(2018年、アメリカ)

ブラック・イズ・ビューティフル。世界的ヒット作になった『ブラックパンサー』(2018年、アメリカ)を観た。マーベルコミックのヒーローの一人で、アベンジャーズの次回作にも登場するブラックパンサーの単独作品。主演のチャドウィック・ボーズマンも黒人…

水の中こそまことー「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017年、アメリカ)

「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」 (江戸川乱歩) ヲタクはロマンチストである。ソースは俺。 …ということで、「パシフィック・リム」を世に出したヲタク監督のギレルモ・デル・トロ。 sharp.hatenablog.comヲタクならギレルモ嫌いな人はいないよな。…

「キングスマン ゴールデン・サークル」(2017年、イギリス)

「キックアス」のマシュー・ボーン監督がメガホンを取ったスパイ映画「キングスマン」の続編。「007」や「ジェイソンボーン」などのシリアス系のシリーズとは違って、エンタメ優先、テンポ優先、アクションのキレ優先という感じ。随所に「いんだよ、細けえこ…

映画「オリエント急行殺人事件」(2017年、アメリカ)

「フーダニット」(誰が殺したのか)の古典中の古典とも言える作品の映画化。名探偵エスキュール・ポアロ作品であること、クリスティらしい「フェアだが意外な真相」という特徴ゆえに、この作品を知らない人は多くないだろうし、これまでの映画化・映像化さ…

映画「ギフテッド」(2017年、アメリカ)

才能に恵まれているがゆえに一般社会に馴染めないということはよくある。父母を失った7歳の天才少女を巡って、一般社会に溶け込むようにと普通の学校に行かせようとする叔父、エリート教育を受けさせようとする祖母の価値観の対立、そこから生まれるドラマが…

「スターウォーズ/最後のジェダイ」

(ネタバレあり) 「スターウォーズ/最後のジェダイ」を観た。公開日の劇場はほぼ満員。監督は前作のJ・J・エイブラムスからライアン・ジョンソンに変更。前作が従来作を踏襲したプロットで軽妙にサーガを再生産したのに対して、今作はあえて従来作の再生産…

「ブレードランナー2049」を観てきた(ネタバレなし)

「ブレードランナー2049」を観に行った。あのカルト的な人気を誇る作品の続編、それも35年振り。封切り日翌日の土曜日の昼の回に新宿ピカデリーに行くとほぼ満席。なんだかんだ言って、映画好き、SF好きの関心を集めていて、それゆえに期待のハードルも高い…

『ナラタージュ』(行定勲 監督作品)

雨の日の今日、「ナラタージュ」を観に行った。 演劇的な「間」や空気感を重視した演出、彩度を落としたシックな映像、ミニマルな音楽。誰かを愛さざるを得ない人間の「情」を、倫理や純愛で過度に美化することなく描き上げる。行定勲監督らしく、甘い恋愛映…

映画「美女と野獣」(アニメ)

先月、エマ・ワトソン主演の「美女と野獣」を見てきたばかりだが、劇団四季のミュージカルは見たことがあるものの、原作アニメは見ていなかった。ということで、今回、改めてディズニーのアニメ版を見た。時間的には90分程度ということで結構コンパクトだが…

映画「ウルヴァリン:X−MEN ZERO」

「ローガン/LOGAN」はローガンの最後の生き様を描き、後継者にバトンを渡す物語であった。だが、彼自身の物語はこの「ウルヴァリン:X−MEN ZERO」により描かれてる。遥か昔から不老不死の肉体を持って生きて行く物語。その彼がいかにして「ウルヴァリン」に…

映画「永い言い訳」

人間の心の暗部を描くことにかけては定評のある西川美和による作品。今回も、主人公の作家が、奥さんの旅行中に愛人を家に招いて不倫をしているまさにその日に、奥さんがバス旅行で亡くなるというところから始まる。喪失感のなさ、罪悪感、世間体、演じる自…

映画「殿、利息でござる!」

機内で見るには「パッセンジャー」があまりに息苦しい作品だったので、もう少し気楽に見られるものを求めて「殿、利息でござる!」を鑑賞。仙台藩の宿場町で実際に起こったとされる町人による町の救済の話。過酷な税の負担で没落しつつある町を、有力な町人…

映画「パッセンジャー」

ひとり旅の飛行機の中で見るにはふさわしくない映画だった。コールドスリープの状態の乗員5000人を乗せた宇宙船の中で、カプセルのトラブルにより目覚めた主人公。孤独に耐えかねず、もう一名の乗客を眠りから醒ます…というストーリー。密室で息がつまるし、…

映画『LOGAN/ローガン』

公開されて間もない『LOGAN/ローガン』を観に行った。一応、X-MENシリーズの世界観ではあるが、プロフェッサーは90歳の老人で要介護、それを介護するのがこれまた高齢のウルヴァリンという状況。アメコミとかヒーローとかそういう感じではなく、見える光景は…

映画『美女と野獣』(ビル・コンドン監督)

見に行こう行こうと思っていた『美女と野獣」。 満席状態が続いていてなかなか機会がなく、ようやく行けた。 結論から言えば、ミュージカル映画として高い完成度の作品。原作に忠実ながら、新しいセンスを随所に吹き込み古さを感じさせない。オープニングか…

アメリカ版「たられば」ドラマ~『ラ・ラ・ランド』

「ラ・ラ・ランド」を観た。冒頭、まるでインド映画の「踊る」映画のようなハイテンションの集団ダンス。だが、そこから後はパーソナルなスケールの世界に。前半、「冬」から「春」になり、いよいよ2人が付き合うようになったところで幕間へというあたり、伝…

『スーサイド・スクワッド』

僕にとって、理想の悪役はジョーカーである。理想など持たず、全ての権威、価値観を否定するようなニヒリズム。あれを突きつけられて、根源的にモノを考えないなんてありえない。そういう精神への攻撃こそ最大の強さだと思っている。ということで、悪役ばか…

『X-MEN アポカリプス』

最近流行りの「エポソードゼロモノ」というか「前日譚モノ」。 古代エジプトにミュータントが存在し、その能力で民衆を支配しながら、何度も肉体を乗り換えてきたという設定。その「敵」が現代に復活し、人類を恐怖のどん底におとしいれるところに、プロフェ…

『ジェイソン・ボーン』

マット・デイモンの当たり役「ジェイソン・ボーン・シリーズ」。一応前回までの3部作で完結しているが、同時にいつでも続編が作れるような終わり方でもあった。ということで、シーズン2のスタートというか、リブートしての新作のタイトルは原点に戻ったよう…

良質なアニメ―映画『この世界の片隅に』

こうの史代原作の『この世界の片隅に』(片渕須直)を観に行ってきた。konosekai.jpクラウドファンディングで約4000万円もの資金を集めて作られた作品。戦争中の広島を舞台にしているということで、戦況の悪化に伴って世相はどんどん暗くなるし、空襲や原爆…

ハリウッドでリメイク予定―『ピエロがお前を嘲笑う』

2014年のドイツ映画『ピエロはお前を嘲笑う』は、ハッカーが主人公のサイバー犯罪をモチーフとした作品。 「予想できないどんでん返し」が評判で、ハリウッドでリメイク予定。 ブラッド・ピットが有する映画製作会社「プランBエンターテインメント」が映画化…