マスコミ

川崎重工の経営統合報道とは何だったのか

川崎重工で役員の解任劇。原因は、三井造船との経営統合をめぐる社内の意見の対立。経営統合の交渉はデリケートだし、多くの場合、社内でも賛否が分かれるもの。経済合理性だけではない政治の世界。今回、秘密裡に交渉しているものを、日経がスクープした。…

またしても日経の印象操作か

モスクワで開催されているG20は共同声明を出して閉幕した。が、日経新聞の報道がひどい。 「緩和策は脱デフレが目的」 財務相、G20で主張 円安誘導批判に反論 まるで円安誘導批判があったかのような印象操作。財務大臣は「主張」をしたのであって、「批判に…

積雪の予報は国民に迷惑をかけたのか

果たして、気象庁は国民に迷惑をかけたのだろうか。 大雪のはずが…「国民に迷惑かけた」予報外れ気象庁発達した低気圧と寒気の影響で6日、関東地方をはじめとした太平洋側では広い範囲で雪となった。しかし降雪量は軒並み少なく、気象庁が予報していた「大…

「英BBC、山本さん死亡異例の扱いで報じる」という報道

ジャーナリストの山本美香さんがシリアで亡くなった。 【ロンドン=共同】英BBC放送は21日、ジャーナリストの山本美香さんがシリアで死亡したことについて、ニュース番組で2分以上の時間を割いて報道した。英国人や英メディアの記者以外では異例の扱い。…

日本よ、これが投資銀行だ・・・??

映画『アベンジャーズ』のコピー「日本よ、これが映画だ」は酷い。「アメリカの上から目線が鼻につく」という批判もあるが、こんな文章を考えつくのはアメリカ人ではなく、日本の訳知り顔の「業界通」だろう。嫌な気分になる目線だ。同じように訳知り顔の「…

最悪に備えることは当然なのに

ある種の誤報と言ってもよい。そうでなければ、情報操作だ。 数年後の国債急落を想定 三菱UFJ銀が危機シナリオ銀行最大手の三菱東京UFJ銀行が日本国債の価格急落に備えた「危機管理計画」を初めて作ったことがわかった。数年後に価格が急落(金利が急…

ザ・タイマーズを知っているか

1月10日付朝日新聞社説「成人の日に―尾崎豊を知っているか」が話題になっている。社説の終盤を引用する。 尾崎豊はどこへ行ったのか。 あの時の尾崎と同じ26歳、気鋭の社会学者、古市憲寿さんには「オヤジよ、放っておいて」と言われそうだ。 近著「絶望の…

また日テレか

サッカー・トヨタ・クラブワールドカップの決勝戦終了後、メッシに対して芸人による愚問を投げかけた件で批判されたばかりなのに、日テレは何も学んでいないのだろうか。 箱根駅伝で総合優勝を飾り、大会MVPにも選ばれた東洋大学のエース柏原竜二の発言がツ…

嘘も100回言えば真実となるか―日経の誤報問題

「日立製作所と三菱重工が統合」という日経の誤報の問題については昨日のエントリー(日経による統合「スクープ」とは一体何なのか - Sharpのアンシャープ日記)であらかた書いた。だが、日経は訂正する風情もなく、むしろ自己正当化に走っているように見え…

日経による統合「スクープ」とは一体何なのか

「日立製作所と三菱重工が統合」というスクープ風のセンセーショナルな見出しに、普段新聞を読まない人も4日の日経朝刊を売店で買った人は少なくなかったようだ。日経も「売らんかな」のメディアに成り下がったのか。新聞が売れれば、国益を害してもよいと…

なぜ本質を見誤るのか〜大学入試カンニング事件報道に思う

これほど単純な事件はない。大学に合格したい予備校生が、試験会場で携帯電話を使って、試験問題を公開サイトに投稿し、不特定多数から答を募った。だが、マスコミは本質を見誤っていた。まずこの事件では、「複数犯」説が流れた。試験会場内と外部の協力者…

MST44代表選をめぐる報道

AKB総選挙の場合、前田か大島かというある意味どうでもいい話題作りのネタはタブロイド誌を賑わせる程度だ。だが、どういうわけだか、MST代表選は、一日中NHKで報道されたりするので困る。「どうでもいい話題作り」という意味では同じなのに。与党とはいえ、…

「復活詐欺」に注意

10年前から百貨店の復活を唱え続ける松岡真宏。そんな松岡が日経ビジネスの特集でまたしても登場。 …涼しい顔で「百貨店、復活できますよ」とおっしゃる方がいらっしゃる。それが本連載に登場する松岡真宏さんです。 松岡さんは1990年代から2000年代前半にか…

だって友愛だもの−ゆきを

朝日新聞のインタビューより。なんという出オチ。なんという馴れ合い。なんという提灯記事。 ――きずなや友愛がテーマの映画「サマーウォーズ」の感想を。 鳩山代表「友愛だね」 朝日新聞デジタル:どんなコンテンツをお探しですか? まあ、僕も佳主馬には友…

日経一面にけいおん!

ブームの終わりを告げる指標はいくつかあるが、その中の一つに「オッサン向けメディアに取り上げられること」というのがある。ということで「けいおん!」に終了フラグ。 とめはね、けいおん、おちけん、バクマン。さてこれらは一体、何の名前でしょうと聞い…

これは国政選挙ではない〜7・12都議選

都議選で民主党が大勝し第一党となった。これを国政選挙の前哨戦と位置づけたがる人がいる。永田町の人々。それから、マスコミ、たとえば文末に引用した朝日新聞もそうだ。今日の社説でも東京都の争点はまるで無視。まあこれが日本のマスコミのレベルだ。し…

テレ朝の誤報あるいは捏造

キム何某の写真にどれほどのニュース価値があるのかよく分からない。だが、何かの手違いで全くの別人をキム何某だとして公開してしまった。この時点でもマスコミとしてはアウトだと思う。が、その後がさらに良くない。これを「韓国当局」から入手したと、お…

中国は「北朝鮮への圧力に慎重」ではない

どうして中国がいつまでも北朝鮮をかばうなどと決めつけるのか。核実験で国際世論は決定的になったというのに。日本のマスコミよりも、中国政府の方がよっぽど情勢分析をしっかりとしているし、発言にも含蓄があるし、狡猾なほどに賢い。中国の楊外相は「圧…

制服大好き

1993年に制服を廃止した高校が、2011年度の新入生から制服を導入することになったという報道があった。志願者離れに歯止めをかけるためだという。そもそも廃止時の理由は書いていない。だが「制服を廃止すれば自由な校風になる」ということはない。…

冷静!冷静!冷静!

新型インフルエンザをめぐる報道の過熱。トップニュースでさんざんセンセーショナルに煽っておいて、最後に「冷静な対応が求められます」って、吉本新喜劇か。マスコミのマッチポンプはいまに始まったことではないけれど、国民の成熟に追いついていないと感…

アニメバブル?

朝日新聞の記事より。そもそも「アニメ」を何で測るのか。TVの深夜番組の放送本数がバブルというのであれば、それは確かにそうだろう。もともとひどいものも相当含まれていた。玉石混交どころの話ではない。TV放送を収録したDVDの売り上げもそうだろう。だが…

新生・あおぞらの統合

新生銀行もあおぞら銀行も単独での生き残りが困難なことが明らかであり、目下の金融危機で何らかの対応は欠かせない状況だ。記事にあるような「来年夏メド」なんて悠長なタイムスパンではなく、ビジネス環境によっては来年3月末が一つの山場になると思う。し…

オリンピック調査団がやってきた

2016年のオリンピック候補地に名乗りを挙げているこの東京に、IOCの調査団がやってきた。IOCの政治性とか、東京開催の是非とか議論すべきところはあると思うが、マスコミの自虐的な論調はなんとかならないものか。たとえば4月17日の日経新聞のコラム。 「素…

朝日新聞の詭弁

朝日新聞が、不法入国者の国外退去を否定する社説を掲載した。法治国家のメディアとは思えない主張に驚いた。法の執行を柔軟に行うことが「英断」とは、私には決して思えない。政府がそんな裁量を振るう国家は信用ならない。社説の後半で不法残留外国人が1…

「奇策」というよりも「奇事」

日経新聞が、三菱UFJの黒字が「奇策」によるものだと報じた。 三菱UFJ、奇策で黒字 保有株の簿価変更で損失抑制三菱UFJフィナンシャル・グループが2009年3月期の業績予想を最終黒字としたのは、保有株式の簿価を変更するという“奇策”が大きく寄与した…

今日も日経はシティの味方

日経は、積極的な事業拡大をしていた頃のシティをもてはやした筆頭だったが、撤収戦の味方もするらしい。というのも、こんなリーク記事を書いているからだ。 日興コーデ入札、月内にも 米シティ、3メガ銀が買収名乗りへ 経営再建中の米シティグループが傘下…

流行語大賞で消える人

流行語大賞に選ばれた人は消えるというジンクスがあるが、エド・はるみは大丈夫だろうか。 福田首相の場合は既に辞めている、というか、辞めるときの会見の捨て台詞だが。 トップテン年間大賞 ◆グ〜! お笑い芸人 エド・はるみ トップテン 年間大賞 ◆アラフ…

日経によるメガバンク増資報道で日経平均暴落

日経のスクープ「三菱UFJ1兆円増資」を嫌気して、日経平均が続落。こう書いていると、日経のインサイダー情報垂れ流しどころか、「風説の流布」、あるいは「相場操縦」という単語さえ思い浮かぶ。日経は日経平均を暴落させる意図はなかったのもしれないが、…

「三菱UFJ、最大1兆円増資へ」という日経記事の愚

今日の日経新聞の朝刊の一面トップ記事「三菱UFJ、最大1兆円増資へ 年度内、株価見極め判断」。内容的には十分ありそうな話だ。だが、金融商品取引に影響力のある日経新聞が、上場企業のファイナンスに関する重要情報(しかも公募増資)を、内部者=イン…

H&Mの出店がニュースになる不思議

本日、ヨーロッパの安物洋品店「H&M」が銀座に出店。民放各局では、昨夜あたりから「ニュース」という名の情報番組やバラエティで取り上げていて、うんざりするほどだ。そもそもH&Mは究極の安物。ロンドンを始め欧州ではあちこちにあるが、日本の感覚でいう…