tipToe. 3rd ONEMAN 「Our blue moment」& tipToe.×・・・・・・・・・ TWOMAN「Tokyo Sentimental」@渋谷WWW

tipToe.の3rd ワンマン・・・・・・・・・ (ドッツ)とのツーマンが渋谷WWWで行われた。

3rd ONEMAN 「Our blue moment

まずはワンマン。

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基本的には、先月の青山月見ルでのコンセプトワンマンと同じような流れ。

すなわち、前半は初期の曲を中心にし、中盤でステージ上に月が現れて最近の曲にモードチェンジ。月が青くなってからは幻想的な文学世界を展開。

新曲の「Cider Aquarium」も、tipToe.の「夜編」の世界観にどっぷりとハマるような傑作。

聴いていてゾクゾクしたというか、また素敵なレパートリーが加わったなという印象。

ライティングも巧みで、月の上にメンバーの踊る姿のシルエットが重なる光景はまさにtipToe.の世界という感じだった。



WWWも最上段まで埋まりソールドアウト。

フロアの熱量も高く、沸ける曲では、高まったファンもじっとしていられないという光景。女限もぎっしりで、tipToe.売れた!という感じ。

物販も40kのワンピースがあったりして、こういう世界観が好きな文化系女子の支持を着実に得ている手応えを感じた。

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次の大きなワンマンは、12月27日にTSUTAYA O-WESTで行われるとの発表もあり、来年に向けてますます成長していくことを確信させられるワンマンだった。

(セットリスト)

SE(特別じゃない私の物語-pianolesson-)
1.特別じゃない私の物語
2.ひとりごと
3.ハッピーフレーバー
MC
4.ビギナー
5.クリームソーダのゆううつ
(東京にて)
6.Cider Aquarium
7.僕たちは息をする
(ある夜のこと)
8.砂糖の夜に
9.ナイトウォーク
10. blue moon.
(夜を越えて)
11.ハートビート
(新しい朝)
MC
12.かすみ草の花束を
13.星降る夜、君とダンスを
(アンコール)
En.夢日和

tipToe.×・・・・・・・・・ TWOMAN「Tokyo Sentimental」

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先攻がtipToe.、後攻が・・・・・・・・・、最後にコラボという構成。

ワンマンとは明らかにPAのバランスが変わり、オケの音量が大きく(音圧が高くて)、ボーカルが後退する感じ。

tipの世界観との相性という点では昼のワンマンの方がじっくりと楽曲の世界に浸れたかなという印象。

・・・・・・・・・のパートに入ると、大きめのオケが程よいトランス感を醸し出していて、スクリーンに映る幾何学的なVJと合わせて、独特の高揚感を醸す。

特に「クリームソーダのゆううつ」では、オリジナルよりも憂鬱感が増しているというか、内的世界に入り込んでいくような感じになっていて、ライブで聴き比べてみると結構アプローチが違うということに気付かされた。


曲交換、最後に全員でのコラボもあって、ツーマンの企画としては充実した内容。


昼のワンマンに比べるとWWWの客席には余裕があったが、普段見ることのできない”化学反応”の起きる現場は、とってもレアだし、見られてよかったと思った。

ハコイリ♡ムスメ「平日定期公演 Respect for 」特典CDレコーディング見学

ハコムスのファーストコンサートのクラウドファンディング

リターンの中の一つとして用意されたのが、今回のレコーディング見学。

10人のファンが今回のイベントに参加した。

場所は都内某スタジオ。

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会場には、ハコムスメンバー8人、そして鈴木プロデューサー、レコーディングディレクター、オペレーター2名、そしてハコムススタッフ。

今日の収録曲は、「ストローハットの夏想い」(斉藤由貴)と、「お引っ越し」(Qlair)。

「ストローハットの夏想い」(19:00-20:00)

まずはリーダーの我妻桃実からレコーディング開始。

以前見学した時もぽにょがトップバッターだったので、これがいつもの順番なのかな。

ハコイリ♡ムスメの「ストローハットの夏想い」は、誰もいないステージにメンバーが一人ずつソロを歌いながら登場し、全員揃ってユニゾンを歌った後、また一人ずつ舞台袖にはけていき、最後にステージに置かれた椅子の上のストローハットだけが残るという演劇的な演出を行なっている曲。

収録も「ソロパート→下ハモ→全員のユニゾン」の順で。

歌いなれた曲ということもあって、細かい「指導」的なものはほとんどなく、「優しい感じで」という鈴木Pの演出がほぼ全てという感じ。

数テイク録って、無事にぽにょは終了。

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続いて、星里奈。

「もうちょっと大人っぽくていい。今より5歳上くらい」と、歌うときの「設定年齢」みたいなものを鈴木Pが説明し、それを受けて大人っぽい包容力をボーカルで醸す里奈ちゃん凄い。

次は井上姫月。

地獄の夏合宿を経て、声量が一気に上がったひるてゃん。まずは、マイク、モニターのバランスを取るのに一苦労。「うれしい悲鳴」というべきか。

高音部を地声で歌うかファルセットにするか確認し、試しながら両方を録る。

彼女の声にはフックがあるというか、個性が強目に耳に残るので、「原曲に近い歌い方にするか、本人の解釈で歌わせるか」みたいな議論が、プロデューサーとディレクターの間でなされたのも興味深かった。

次は寺島和花のターン。

前回のレコーディング見学の時よりも歌唱力を上げているワカチコ。

最初のテイクからそつなく歌い上げるが、「優しく歌ってみて」とか「リズムに乗ってみよう」とか、細かい指導・演出が入り、それを聞いてすぐに反映していく。

短時間での収録ということで、効率的でなくてはならないが、仕上がりに妥協もできないし、メンバーのメンタルを高めて最高の表現を引き出したい・・・というバランスをどこで取るかという難しい問題に直面するが、今回もスタッフの共同作業はテキパキと進んでいく。

プロの仕事を見るのは本当に気持ちがいい。

そして、阿部かれん、吉田万葉の順番で。

かれんちゃんは「私のときは近くに見に来ないでね、気が散るから(笑)」とわざわざファンに言っただけあって、ものすごい集中力を発揮して、早めにOKテイクを出す。

まんよは、最初に歌ったのを聴いた鈴木Pに「もっと大人っぽくていいよ」と言われて、表現を修正したものでOK。瞬殺。

終盤は、塩野虹戸羽望実の4期生。

なーちゃんは、キャンディボイスが持ち味だが、この曲では「大人っぽいバージョンで」とPに言われて、切なさを滲ませるような歌唱法で臨む。ディレクターからも「できるじゃん。芸達者!」と評価されていた。

のんちゃんは、もともと大人びた表現には定評があるけれども、細かい音程の確認をして、ベストテイクを残した。

「ストローハットの夏想い」のレコーディングは、予定通り1時間で終了。

休憩時間(20:00-20:15)

後半に「お引っ越し」(Qlair)のレコーディングを残して、15分の休憩へ。

「お引っ越し」は、我妻・阿部・星の「大人組」のユニットなので、「子供組」はもう解放された感。

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ファンにもお菓子が手渡されたが、メンバーも「もぐもぐタイム」。

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星里奈ちゃんに膝抱っこに行くひるてゃんかわいい。

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まんよ&なーちゃんのくつろぎっぷりも微笑ましかった(この後、二人ともねむねむタイムに突入)。

「お引っ越し」(20:15-21:10)

Qlairの三声ハモの名曲「お引っ越し」。

ハコムスカバーで最初に聞いたときには「小松・鉄戸・阿部」というユニットだったが、今は「阿部・我妻・星」。

その阿部かれんちゃんも来月卒業ということで、この曲のカバーの最初から時間を過ごして来たかれんちゃんの声がCDとして残るのは、なんというか「間に合った」という感じ。

収録はまたしても我妻桃実から。

「主メロ(ソロ)→下ハモ(二声)→ソロ→下ハモ(三声)」みたいなのの繰り返し。

3人のユニット曲だから「ストローハットの夏想い」よりも一人一人の歌唱パートが多く、しかも主メロと下ハモが交互に登場したりするのを一気に繋げて歌うので舌を巻くレベル。

ぽにょが「ハモ職人」と言われるのもよく分かるというべきか。

それでもサクサクとレコーディングが進み、一通り終わったと思ったところで、パートの追加が行われることに。


「お引っ越し」は、彼氏と別れて新天地に引っ越す女の子が、思い出の部屋を去る時の心境を歌ったものなんだけれども、基本的にはカラッとサバサバして前向きに歌われる。

しかし、そんな簡単に未練を捨てられるものでもなくて、楽曲の終盤にはサブメロのコーラスで「あの日に戻りたい 戻れない 悲しい」という本音が入ってくる。

このコーラスの部分は、メインの「バッハッハーイ」と重なるので、ライブでは再現不可能なもの。

けれども、ハコイリ♡ムスメが音源化する時には、Qlairと同じようにこのパートを入れて欲しいと願っていた。

だからその部分を収録するという話が出た時に、感動で震えがきてしまった。

準備は必ずしも十分ではなく、その場で何度もその部分を聞いて、ディレクターがメロディとリズムを分析し、メンバーが歌詞を聞き取って、手元に書き残す。

ディレクターはぽにょに「音符読める?」と聞き、「読めません」と答えるのを聞くと、メロディとリズムをその場で”図”にして録音室に持ち込む。

それを元にぽにょが歌い上げる。

目の前で繰り広げられるプロたちのクリエイティブな作業に、「この場面が見られて本当に良かった」と思う。

追加部分のレコーディングが終わるまで、15分から20分といったところ。

レコーディング全体のスケジュールが押すことは確実になったが、それでも「満足のいく形でベストなものを残したい」という情熱が優先されるところに感動した。


続いて、星里奈が録音室に入る。

歌い始めると早速問題が発生。

三声ハモの上ハモを彼女が歌い始めたのだ。

どうやら「上ハモ=阿部、主メロ=星、下ハモ=我妻」という編成で撮るという予定が、阿部・星には逆に伝わっていた模様。

すかさずスタッフから星・阿部に本来のパートを伝えて、その場で修正が始まる。

「全部主メロでお願いします」という指示を受けた星が、音源を改めて聞いたりもせず、特に困った様子もなく、淡々と主メロを歌い始めたのには驚いた。

鈴木Pからは「もっと明るく」などの演出も入りつつ、本来の予定パートを一通り録り終えると、最後の追加コーラスへ。

ここでは、ぽにょの歌った音源をリファレンスにしながら、星里奈ちゃんも耳コピベースでレコーディング。

プロだなあと思わさせる瞬間だった。

いよいよ今日の収録の最後は阿部かれん

終了予定時刻まで残り少ないタイミングで、押すことは避けられない状況。

しかも、主メロと上ハモのパートチェンジが直前で指示されたこともあって、下手をすれば収録が深夜に及ぶ可能性もあった。

しかし、かれんちゃんは、全てのパートをノーミスで歌っていき、追加パートも完璧に歌い上げた。

「巻いてきます!」という宣言まではなかったけれども、レコーディングの時間の遅れを一気に挽回するという意気込みを感じさせる姿だった。

ボーカルの表現も、ハコムスで一番長く「お引っ越し」を歌っているだけのことはある説得力のあるものだった。

9月30日に卒業する阿部かれんのハコムスとしての(恐らく)最後のCDが「バッハッハーイ ありがと じゃあ もう行くね」というのは、出来過ぎのような気もしたけれど・・・



最後に、レコーディングした音源のOKテイクをつないだものをメンバーと参加者で一緒に聴く。

「ストローハットの夏想い」は、想像以上にメンバー間の表現の粒が揃っていた。

「お引っ越し」の方は、三声ハモの美しさが引き立っていた。そして、最後のコーラス、やっぱり最高。

作品が生まれる貴重な瞬間に立ち会えて良かった。



このCDは、それぞれ9月4日、9月18日のハコムスの平日定期公演の特典としてもらえるので、今から楽しみ!

ハコイリ♡ムスメ 平日定期公演〜Respect for CoCo〜@ AKIBAカルチャーズ劇場

夕やけニャンニャン」/おニャン子クラブと、「パラダイスGo!Go!」/乙女塾

同じようなイメージで語られがちだけど、僕の中では180度違うもの。

前者が「女子大生の次のブームは女子高生」「素人(っぽい子)を集めてアイドルにしよう」とトレンドを起こして時代を変えようとしたのに対して、後者の方はアイドル冬の時代の中で「本格」を生み出そうという強いこだわりがあるように見える。

その中でも「CoCo」は本格的な王道アイドルを目指して立ち上がり、結果的に活動期間を通じてそうした期待に応えるグループになった。


僕が好きだったのはCoCoの方だったけれども、初期ハコムスのライブでハコムスに似合っていたのは、素人っぽさを活かしたおニャン子カバーの方のように見えた。

CoCoの「はんぶん不思議」や三浦理恵子の「日曜はダメよ」は、僕の中ではエヴァーグリーンなナンバーとして輝いているけれども、初期ハコムスのカバーでは、どこかコレジャナイ感を感じてもいた(一方で、劇団ハコムスの世界観は大好きだった)。

ところが、である。

ハコムスは、その後、メンバーを入れ替えながらも確実にスキルを高め、「コピーとカバーは違う」「カバーする以上、いろいろな人の思いいを大切にしたい」と言葉で語れるほど、楽曲の「世界観」を自らのものにして見せることができるようになった。

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(入場者特典のカバーCD)

今日のRespect for CoCoの公演もそう。

「いま会えるアイドル」ならぬ「いま会えるCoCo」。

ハコムスのライブに慣れて、目の中に入れても痛くないくらいになるとつい忘れがちだけれども、こんなクオリティ高くCoCo楽曲をカバーできるアイドルはいない。

CoCoが活動していないいま、こんなライブを見られる機会はない。

これを当たり前だと思ってはいけない。

そんな風に思ってしまった。

今日のは、メンバーの純白衣装もCoCoオマージュだし、凝った小物やヘアアレンジもCoCoオマージュ。

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新カバー曲の「EQUALロマンス」では、自然発生的に当時の「せーの!ダーリン!」コールも起きて、もうここは中野サンプラザかと。


時間と空間が歪むような錯覚をまた覚えたというか。

CoCoとかQlairがリアルタイムで好きだった人とか、後追いで好きになった人とかいろいろな人がいるんだろうけれども、今のハコムスはそういう人たちの期待に応えられるだけのグループになった。

冒頭にも書いたけどおニャン子じゃなくて乙女塾でこれができるのは凄いよね。

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寺島和花ちゃん。

現代っ子なのに当時の雰囲気も見せてくれた。

(セットリスト)

1 君の歌、僕の歌
MC
2 なぜ?
3 シャボンのため息
「5分で分かる!CoCoの歴史」
4 夏の友達
5 乙女のリハーサル
6 はんぶん不思議
MC
7 EQUALロマンス(新カバー曲)
8 Moonlight Express
MC
9 無言のファルセット