映画『LOGAN/ローガン』

公開されて間もない『LOGAN/ローガン』を観に行った。

一応、X-MENシリーズの世界観ではあるが、プロフェッサーは90歳の老人で要介護、それを介護するのがこれまた高齢のウルヴァリンという状況。

アメコミとかヒーローとかそういう感じではなく、見える光景は「マッドマックス」とか西部劇とかそんな感じ。

ミュータントも人間も信じない無頼派と呼ぶべきウルヴァリン=ローガンが、高齢の「親」を看護しながら自身にも訪れる衰えにも向かい合う。

そんな中で、11歳の少女と運命的な出会いを果たし、やがて彼女に希望を見出し、最後には保護者ヅラで自分を犠牲にしてでも未来を託そうとする。

個人的なことを言えば、自分自身の姿とも重なるものがあって、かなりシンクロさせられるものがあった。


11歳の少女・ローラを演じたダフネ・キーンは存在感がものすごくて、『LEON』のマチルダや、『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツを彷彿とさせる感じ。

「目力」だけで演技が出来てしまうし、口を開けば、英語とスペイン語の両方で堂々とした演技ができる。

スター・ウォーズ』シリーズもそうだけれど、最近は、女性が男性の後を継いで主人公になる作品が増えているが、このシリーズもローラを中心にした物語展開になるのかな、と思わせるような展開、そしてエンディング。

良くできた映画だが、あまりに渋くて、爆発的にはヒットしないだろうなという感じもした。まあ興行収入的なことはどうでもいいか。

ブリューゲル「バベルの塔」展@東京都美術館

ブリューゲルバベルの塔」展を観に、東京都美術館に行ってきた。

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ブリューゲルが残した2点のバベルの塔のうち、「大バベル」はウィーンにあり、アムステルダムにある「小バベル」の方が今回来日。

「小バベル」は想像よりもずっと小さいが、描き込みの多さというか、情報量というか、稠密さに驚かされる。

紀元前の物語を題材に、当時の時代に設定を置き換えて作品化していて、スケール的にもバベルの塔を描いた過去の作品と比べても高さは最高級。500m以上ということで、まさに神にも届きそうなスケールだけれど、これ上に上ったり下に降りたりするの大変そうだよね。

この「バベルの塔」も見に行く甲斐があったが、個人的にはボスによる奇想天外な作品の方にクラクラした。言い方は正しくないかもしれけれども、サブカル感というか、アングラ感というか。

ちなみに、ブリューゲルの版画の方もぶっ飛んでいて、まるでドラッグをキメたかのようなアート。ヘンテコなキャラクターも満載で、ティム・バートンあたりに映像化して欲しいくらい。


ということで、来月、ウィーンに行って「大バベル」を観に行こうと思う。

パンダみっく1周年ワンマンライブ@AKIBAカルチャーズ劇場

待ちに待ったパンダみっくの1周年ワンマンライブ。

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ロビーにはファン有志からかわいいお花(僕も一口協力しました)。

OPSEの後メンバーが一斉にステージに現れ、カラスは真っ白の「ヒズムリアリズム」でライブが幕開け。

AKIBAカルチャーズ劇場のステージのスクリーンにはVJ。

そして、ステージ左右からは青や緑のレーザー光線が宙を舞う。

前方の中央にポジションを撮っていた僕から見ると、VJとレーザーの演出に引き立てられたパンダみっくのパフォーマンスは、凄い迫力。

ノンストップで「My notes」「シーラカンスダンス」、そしてここAKIBAカルチャーズ劇場の新人公演で毎週披露していた「シンデレラ」。

曲を重ねれば重ねるほど、熱力が高まっていく。

ああ、これはとんでもなくいいライブだ。

重低音のサウンドを浴び、ステージのキレッキレのダンスを見ながら、歴史的な瞬間に立ち会えていると実感する。

自己紹介。

メンバーは、大勢の観客に素直に喜びながらも、肩の力を抜いて自然体でMC。

「こんなにお客さんが来ると思わなかった」「新人公演のときは3行(3列)くらいだったから」「こんなに大勢のお客さんが来たのは(新人公演の5組が集まった)ゲネプロのとき以来」

この辺のMCの雰囲気は、先輩のsora tob sakanaに通じるものがある。

かわいい系の「ガールズ・レテル・トーク」「まみむめも」、ハードで厨二系の「世界寿命と最後の一日」「るーららるーらーるららるーらー」と振幅の大きいレパートリーを聴かせながら、いよいよ今日の初カバー曲。


シーラカンスダンス」と同じvivid undressによる「パラレルワ」。

パラレルワールドという意味なんらだろうけれど、サビの「パラレルワ」のフレーズが妙に耳に残る。パンダみっくのカラーにぴったりなクールな曲。

ノンストップで、2曲目のオリジナル曲「オモカゲプラスティック」、「シャッタードール」、「とおりゃんせ」と、最もコアなパンダみっくワールドを聞かせながら、いよいよライブはクライマックスへ。

この1年間を振り返るメンバーのMCに続いて、1曲目のオリジナル曲「未来時計」。

そしてワンマンの最後の曲はふぇのたすの「今夜がおわらない」。

ヤマモトショウらしい「終わらない」と「Oh what a night」のダブルミーニングの曲。

なんて夜だ!終わってほしくない! そんな感じ。

ホント、このワンマンもまだまだ終わってほしくない。

そんな気持ちのファン達から「パンダ!パンダ!」のアンコールが起きる。

今日限定のワンマンTシャツに着替えたメンバーが披露したのは、今日初めて聞く曲。

ということは、あらかじめ予告されていたパンダみっく3曲目のオリジナルソング。

「ヒズムリアリズム」のカラスは真っ白にいたタイヘイさんがプロデュースした曲で、「白黒イエスノー」と発表された。

予想されていたハードなサウンドではなく、アコースティックギターやピアノが心地よく耳に絡んでくるような爽やかなサウンド。

ネオアコ系というか、渋谷系というか。ロックバンドというよりは、2010年代後半のアイドルシーンを意識した感じ。

パンダみっくの新しい魅力を引き出してくれた。

ここで、スクリーンも使った重大発表。

まずは、7月から定期公演がスタート。初回は7月15日に渋谷クラブクロール。

続いて、11月に初CDをリリース。

これはファンも待望のもの。

聞いた瞬間、ステージの上でにいにゃちゃんが涙を浮かべるが、その後「予想できたよね」「台本に書いてあった」とあっけらかんとしたMCが。この辺、実にパンダみっくらしい。

アンコールの最後は「MUSIC」からの「ネズミーランド」。

VJも、前半のクール系から、ポップなパーティー感あるものにモードチェンジしている。

全17曲の充実した1周年ワンマンライブ。

あまりこの言葉を濫用したくはないけれど、パンダみっくのワンマンは「多幸感」に包まれて終わった。


振り返ってみても、5人のフォーメーションは完璧で、メンバーの気力も過去最上級に充実していた。

そして、AKIBAカルチャーズ劇場初となる持ち込み機材でのレーザー光線、カルチャーズのスクリーンを使ったVJ。

曲の魅力を引き立てたし、メンバーのパフォーマンスをさらに引き上げる演出。最高だった。

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パンダみっく、去年から色々な人にオススメしていて、中には「もうちょっと成長してからまた見たい」と言ってくれる人もいるけど、たぶん、いまの急成長を見る方が楽しいと思う。

今年夏のアイドルフェスにも多く出演予定で、TIF2017には3日間とも出るので、タイテが合えばぜひ。

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ファン有志が贈った花束を持って全員チェキ。

1年前のお披露目でも同じようなチェキを撮ったけれど、みんな確実に成長しているよね。

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(セットリスト)

0 OPSE
1 ヒズムリアリズム
2 My notes
3 シーラカンスダンス
4 シンデレラ
MC
5 ガールズ・レテル・トーク
6 まみむめも
MC
7 世界寿命と最後の一日
8 るーららるーらーるららるーらー
MC
9 パラレルワ/vivid undress(初披露)
10 オモカゲプラスティック
11 シャッター・ドール
12 とおりゃんせ
MC 振り返り
13 未来時計
14 今夜がおわらない
(アンコール)
15 白黒イエスノー(初披露、3rd オリジナル)
MC
16 MUSIC
17 ネズミーランド